CBDとお酒、アルコールとの相性は?CBDは二日酔いに効果がある?
「CBDで二日酔いが緩和される?」
「CBDとアルコールの相性は?」
今回の記事は、そのような疑問を解決する内容になっています。
CBDとアルコールの相性
⑴アルコールとCBDの同時摂取は可能か?
そもそも「アルコールとCBDを一緒に摂取してもいいのだろうか?」と疑問をもたれている方もいらっしゃると思います。結論からいうと、適量であればアルコールとCBDの同時摂取は身体に悪影響をもたらさないと考えられています。それは、現時点でCBDがアルコールに対してポジティブな側面を持つという研究結果があるからです。
⑵アルコールとCBDの研究
血中のアルコール濃度を軽減する・・・1979年の研究(※1)ではありますが、血中アルコール濃度の変化をCBDを使用して実験したところ、アルコール単体で摂取した場合より、CBDとアルコールを同時摂取した場合の方が血中濃度が低かったと報告されています。しかし、これはあくまでも血中アルコール濃度に影響を与える可能性であり、バランス感覚などの運動機能への影響を左右するということではありません。
脳細胞の破壊や組織細胞の損傷を軽減する・・・2013年に行われた動物実験(※2)では、アルコールの過剰摂取が引き起こす脳細胞の破壊や組織細胞の損傷が、CBDの摂取によって最大49%減少すると報告されました。動物実験での検証ではありますが、神経保護物質であるCBDが脳と神経系への損傷を軽減し、新しいニューロンの成長を助けたり、酸化ストレスから神経を守るということを考えると、この研究は興味深いものであると感じます。
(※1) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/120541/
(※2) https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6098033/
⑶アルコールに対するCBDへの期待
上述した2つの研究には、今後も継続的なアプローチと改善が必要です。個人的に、現段階ではアルコールとCBDの同時摂取による反応(酔いにくくなる)ということよりも、二日酔いの際に起こる不快感の軽減としてのCBDの用法に期待したいと感じます。CBDを摂取した際でも、お酒の飲み過ぎには注意する必要があります。
CBDと二日酔いの関係
日本ではお酒による健康被害がとても多いと言われています。日本人はアルコールを分解する体の機能が比較的弱いと言われていますが、それでも日常的に飲酒の習慣を持つ方が多いように感じます。近頃の日本では「飲み会」という言葉をあまり聞かなくなりましたが、社会的な交流の場でアルコールを共にするということは少なくないでしょう。
⑴二日酔いはどうして起こるのか
多くの日本人はお酒を飲んだ次の日の「二日酔い」に苦悩しています。二日酔いの原因は諸説ありますが、以下のように誘発されると考えられています。
アルコールは肝臓で代謝され「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。さらに分解が進むと、最終的に筋肉や脂肪組織で二酸化炭素と水となり体外に排出されます。ところが、アルコールの過剰摂取により肝臓がアセトアルデヒドを十分に処理しきれなくなると、血液中の濃度が高くなります。その毒性によって吐き気や頭痛、胸やけなどの二日酔いの症状が起こると考えられています。
当たり前ですが、つまりは飲み過ぎると(アセトアルデヒドの血中量が高いと)二日酔いになりやすいということになります。【①CBDとアルコールの相性】で紹介した研究ではCBDが血中アルコール濃度を下げる可能性があると報告されています。アルコールとCBDを同時摂取することによって、アセトアルデヒドに分解される前のアルコール血中量を下げることができれば、次の日の二日酔いの緩和に効果をもたらすかもしれません。その他にも、脱水や低血糖、体内の炎症も二日酔いの要因となると考えられています。
⑵二日酔いに対するCBDへの期待
CBDは二日酔いで引き起こされる以下のような体調不良に効果をもたらす可能性があります。
頭痛の緩和・・・二日酔いで生じる頭痛は、アルコールが免疫系の炎症反応によって起こると考えられます。つまり、二日酔いの頭痛は体の炎症反応の現れです。CBDは片頭痛や神経障害性疼痛の頻度を減らす効果があり、抗炎症作用もあるため、二日酔いの痛みにもプラスの効果があるかもしれません。
吐き気の緩和・・・お酒を飲み過ぎた後の吐き気は誰もが一度は経験したことがあると思います。それはアルコールがもたらす胃酸の過剰分泌によって、胃の不調が発生するためです。CBDは吐き気の抑制にも効果があると言われています。
倦怠感・・・二日酔いは翌日の不安や落ち込みにつながる可能性があります。それは飲酒によって精神を安定させる脳内のセロトニンなどの神経伝達物質が減少するからです。CBDの最も有名な効果の一つはストレスや不安を和らげる効果であり、それらを調節する体内のセロトニン(※3)と相互作用することでその効果を促します。
※3 5HT1-A受容体
⑶二日酔いに対するウコンの働き
二日酔い予防と聞いて、ウコンをイメージされる方も多いのではないでしょうか?ウコンもアルコールの分解それ自体を早める効果は薄いと言われていますが、二日酔いの症状を和らげる生薬として以下のような効果があると言われています。
肝機能の回復・・・ウコンは生薬として肝臓の不調にも用いられます。ウコンに含まれるクルクミン(ポリフェノールの一種)は胆汁の分泌を促し、二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解速度を促進させるといわれています。
吐き気の緩和・・・ウコンに含まれる精油(シオネール)は胃液の分泌を促し、胃粘膜を保護すると言われています。それが吐き気の抑制に役立つと考えられており、胃炎や胃酸過多などの漢方薬にも配合されています。
上述したこれらの効果は動物実験をもとに報告されており、過度な効果の期待はできません。ウコンを摂取してもお酒の飲み過ぎには注意する必要があります。
それでも『酒好き医師が教える最高の飲み方(著者:葉石かおり)』を監修した医師の浅部伸一は、ウコンには炎症を抑える効果があり、お酒を飲んだ後の悪心を和らげるものとして期待できる(※4)。と紹介しています。やはりCBDと同様に、二日酔いの際に起こる吐き気や頭痛の軽減としての期待が大きいように感じます。
最近ではCBDとウコンを配合したタブレットも販売されています。1粒にウコン60mg、CBD4mg、CBG1mg、高濃度クルクミン3mgという内容量になっています。
(※4) https://forbesjapan.com/articles/detail/33251
CBDとアルコール依存症の関係
CBDは飲酒、喫煙による依存症・中毒も緩和するという報告があります。2018年の研究(※5)では、ラットを用いてCBDとアルコール依存との関係を調べたところ、CBDがアルコール摂取量を減少させたり、依存症再発の予防をしたりすることが分かりました。さらに2019年の別の研究(※6)では、アルコール依存症に加え、コカイン依存症のラットにCBDを1週間続けて与えました。すると、ラットは依存症の症状である不安感や衝動性が抑制され、禁断症状に反応を示さず、CBDが再発リスクを減らすことが明らかになったとされています。
※5 https://www.nature.com/articles/s41386-018-0050-8
※6 https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fphar.2019.00627/full
今日ご紹介したような研究にはまだまだ課題がたくさんあります。CBDが、酔いの軽減や二日酔いの緩和、アルコール依存症に効果があると断定するには根拠が乏しいのが事実です。例えば人での検証が十分でない点や、どれくらい(期間、量)のCBDを摂取すれば良いのか、遺伝子的な違いはどうか、などが明確ではありません。しかし、多かれ少なかれこのような研究が行われており、CBDに関する新しい事実が日々発見されていることには、1人のCBDファンとしてその可能性に期待したいと思います。